【技術・製品情報】バッグ素材(ターポリン、PVC加工ナイロン、TPU)

【技術・製品情報】バッグ素材(ターポリン、PVC加工ナイロン、TPU)

 

高所作業用の道具を収納するバッグには、ぶつけても簡単には穴が開かないような丈夫な素材が使用されています。

ここではその中で代表的な素材を紹介します。

 


 ― ターポリン ―

 

ターポリンは、ポリエステル製の布をポリ塩化ビニル樹脂(PVC)で挟んだ複合シートです。

耐久性(引き裂き強度や耐摩耗性)に優れ、対候性(紫外線や雨風)もあることから、トラックの荷台の幌、校舎にかかる横断幕、運動会の日よけテントの生地としてなど、屋外の様々な場所で見かけることができます。

 

 


 ― PVCナイロン ―

 

PVCナイロンとは、PVC(ポリ塩化ビニール)をナイロン生地に貼り付け加工されたもので、一見普通のナイロン生地と見た目は変わりません。

ですが、PVC加工されているぶん非常に防水性に優れているのが特徴です。この水濡れに強い特性を活かす目的で、レインウェアや釣りの際に着用するウェーダー、アウトドア用のバックパックなどに使われています。

ターポリンと同じくらい普及している素材です。

 

 


― TPU ―

 

TPUは『熱可塑性(Thermoplastic)ポリウレタン(Polyurethane)』の略称です。

生地が柔らかく、多少の伸縮性があります。

また耐摩耗性のほか、耐油・耐薬品性もあり、明度の高いものもあることから、医療用チューブやスマートフォンのクリアケースなどにも用いられます。

PVCに比べて環境負荷が低く、リサイクル性も高いことから、環境意識の高いヨーロッパメーカーのバッグで採用が進んでいます。

 

 


 ― ターポリンとPVC加工ナイロンの違い ―

 

ターポリンとPVC加工ナイロンの違いは、上記の通りベースにしている素材にあります。ターポリンはポリエステル製の生地に塩化ビニル樹脂を貼り付け加工しているのに対し、PVC加工ナイロンはナイロン生地にPVCを貼り付けて加工しています。

さらに、ターポリンは布や織物の両面に塩化ビニル樹脂を塗布するという3層構造になっているため、かなり厚みがありゴワゴワした素材です。重量もあり、PVCナイロンよりもターポリンの方が比重が重くなっています。

しかしながら、ターポリンは屋外で長期間使用しても劣化しにくいという特徴が重宝されており、古くから工事現場の横断幕や店頭の日よけテントなどに使われてきました。ターポリンとPVCナイロンを比較した場合、ターポリンの方が耐久性が高く、長く使えるでしょう。

ただ、PVCナイロンもアウトドアで使用できる程度の耐久性、撥水性は有しています。

岩壁のような鋭利なものに頻繁に接触するようなハードな環境での使用が頻発するのであればターポリンが推奨ですが、それほどハードな使用をしない場合は、素材がターポリンかPVCナイロンかといった点は気にせず、容量やデザインの好みで選んで良いと思います。

 

 


 ― それぞれの性能比較 ―

 

特性ターポリンPVCナイロンTPU
防水性
強度
柔軟性
軽量性
耐摩耗性
環境負荷××