騒音とイヤーマフについて

騒音とイヤーマフについて

 ― 騒音にさらされるリスク ―

 

工事現場、コンサート会場、チェーンソーを使う伐採など、プロフェッショナルユーザーによっては騒音の大きい環境で作業をされる方も多くいらっしゃいます。

長時間(8時間以上)85dB以上の騒音にさらされると、聴力に深刻なダメージを与えるリスクが高まります。

また、100dB以上では、急性の聴覚障害や永久的な聴力損失のリスクが急激に増加します。

大きな騒音下で作業する場合、イヤーマフなどの聴覚保護具により作業者の聴覚を守ることが極めて重要です。

 

 


― 騒音レベル ―

 

以下は一般的な騒音の目安です。

※環境によって変動します。

 

音の発生源騒音レベル
チェーンソー(近距離)100-120 dB
グラインダー/ディスクサンダー95-105 dB
コンクリートカッター100-110 dB
建設現場(重機全般)85-100 dB
トラックや大型車の走行音85-95 dB
発電機(ポータブル)70-95 dB

コンサート会場/ライブ会場

メインスピーカー付近

バックステージ (遮音あり)

 

100-120 dB

60-80 dB

 

 

 


― SNRとNRR ―

 

イヤーマフのスペックには、SNRまたはNRR(もしくはその両方)が記載されています。

SNR、NRRともに遮音性能を表す指標です。

 

■SNR (Single Number Rating)

【使用地域】

 主にヨーロッパ。

【定義】

 SNRは聴覚保護具が平均的に減衰できる騒音レベル(デシベル単位)を示します。

 この値は、EN規格(欧州規格)に基づいて計算されます。

 

■NRR (Noise Reduction Rating)

【使用地域】

 主にアメリカ。

【定義】

 NRRは、ANSI(米国国家規格協会)やEPA(米国環境保護庁)によって定められています。

 NRRは、実験室での理想的な条件下で測定されるため、実際の環境では減衰効果が少し異なる可能性があります。

 

■SNRとNRRの比較

NRRは、SNRよりやや保守的な値(=低い値)になりやすいです。

 

■遮音について

現場の騒音レベルから、聴覚保護具の遮音性能値を差し引いた数値が、耳に入る騒音レベル(デシベル)の目安となります。

例:騒音「80dB」ーイヤーマフ「20dB」=「60dB」