【アッセンダー機能付きモバイルフォールアレスター】カンプ ゴブリン
2012年ごろから販売されている、ロングセラーのカンプ社製モバイルフォールアレスター「ゴブリン」。
カムロック式で構造はシンプル。軽量で、世界中のロープアクセス作業者に愛用されています。
特 徴
■特徴① ショックアブソーバー不要
ペツル社の「アサップロック」、エーデルリッド社の「ヒューズ」は専用のショックアブソーバーとの併用が必須です。
しかしながらカムロック式の「ゴブリン」はバックアップロープ(ライフライン)と作業者のハーネスを直接接続して使用することができます(下図左)。
作業者が墜落した際、「ゴブリン」が傾くことで器具内部を通過するロープが屈曲し、内部のカムがロープを挟み込んで落下を制止します。
※なお、バックアップロープと直接接続すると距離が近すぎて邪魔になりやすいため、適切な距離にするよう専用のスリング「ゴブリンランヤード」を間に挟んで作業することも推奨します(下図右)。

■特徴② アッセンダーモード
「アサップロック」「ヒューズ」をはじめ、最新のモバイルフォールアレスターはロック機構が付いています。
これは、モバイルフォールアレスターを作業者よりも高い位置に留めておくための機構で、万が一墜落した際の落下距離をできるかぎり短くするのに役立ちます。
「ゴブリン」にもロック機構が搭載されていますが、「ゴブリン」のロック機構は「EN12841A(ロープアクセス用登高器)」に対応したもので、器具に作業者の荷重が掛かってもその場に留まります。
モバイルフォールアレスターを高い位置に留めておくためのみならず、アッセンダーとして腹部アタッチメントポイントに取り付け、メインロープに接続して作業者の体重を預けることもできてしまいます。
※「アサップロック」や「ヒューズ」はアッセンダーとして使用することはできません。

通常、アッセンダーはアッセンダーで別に用意しているので、モバイルフォールアレスターを現場でアッセンダーとして使用する機会は稀ですが、アッセンダーのバックアップとして使用できるのは魅力です。
また、歩いて登れる程度の緩い傾斜地で、下り方向に体重を掛けて1本吊り作業したい場合のワークポジショニングランヤードの代用としても使用することもできます。
※ブレーキレバーがないため、位置調整(ロープの長さ調整)は多少やりにくいです。
短 所
魅力的な機能を備えた「ゴブリン」ですが、一方で短所もあります。
■短所① 墜落時に器具を掴むと落下が伸びるリスクがある
「ゴブリン」は、墜落時にロープが器具内部で屈曲し、カムが抑え込んで落下を制止します。
そのため、万が一作業者が無意識に器具を掴んでしまい、器具内部のロープの屈曲が浅くなると、カムのロックが効きにくくなり墜落距離が延びる危険があります。
クライミング経験者やロープ高所作業熟練者であれば落下時に器具を掴むことはほぼないでしょうが、作業者が初心者の場合は注意が必要です。
■短所② 器具の落下リスク
「ゴブリン」はハーネスと接続したままロープへのセットができません。ロープにセットする際はハーネスから一度取り外す必要があり、その際に器具を誤って落としてしまうリスクがあります。
※器具落下防止用の細引きを通すためのループがありますので、使用時には必ず細引きを用意して落下対策を行ってください。

まとめ
カンプ社のモバイルフォールアレスター「ゴブリン」は、
・軽量コンパクト
・ショックアブソーバーなしで使用可能
・作業者の体重を預けられるアッセンダーモード
と、魅力的な機能を備えています。
熟練者の方におススメしたい1台です。