【技術・製品情報】ハーネス、ランヤードの耐用年数

主要な国内メーカーにより創設された「日本安全帯研究会」では、フルハーネス(ベルト部)は【3年】、その他(ランヤード部)については【2年】を交換目安として推奨しています。
また国内メーカーの多くはハーネスの最大耐用年数を【7年】(=未使用状態でも製造から7年で廃棄)としています。
『日本安全帯研究会ホームページ > Q&A > Q8製品の耐用年数について教えてください。』
https://japan-safetybelt.jp/qa/
一方海外メーカーでは、ハーネスの耐用年数が製造から【10年】とされているものもあります。
(トゥーフェルベルガー、シンギングロックなど)
いずれにしても、それらの推奨年数は飽くまで目安であり、使用頻度や環境などによりハーネスやランヤードの受けるダメージは変わります。過酷な環境下での使用では、たとえ墜落していなくても1年で買い替えが必要となるケースもありますし、墜落を受け止めたハーネスは安全のため以後使用しないのが原則です。
※たとえば中東の湾岸地域では、日差しの強さ、砂や塩分を含んだ風の影響で、ハーネスやロープの交換サイクルが1年~3年程度と短めになっています。
致命的な損傷が無い場合、交換タイミングの見極めは難しいですが、使用前・使用後の日常点検をきちんと行い、すり減り、痛みなどが目立ってきたら、作業者の安全を優先し買い替えることを推奨します。
またハーネスやランヤードはナイロンやポリエステルといったケミカル(化学繊維)パーツで出来ており、通常使用のほか紫外線や経年劣化でも素材の強度が低下していきます。たとえ使用頻度が少ない製品でも、メーカーの規定している耐用年数を過ぎた場合は破棄してください。
― 即廃棄が望ましいケース ―
■墜落を受け止める
作業者の墜落を受け止めたハーネスは以後使用を取りやめ処分してください。墜落の衝撃により縫製部分などの強度が落ちている可能性があります。尚、ANSI規格に適合しているハーネスは、墜落後に以後使用できないことを示すサイン(赤いストラップなど)が胸部または背部アタッチメント部分に現れます(フォールインジケーター)。
■激しいダメージを受けた直後
繊維や金属にダメージを与える化学薬品と接触した場合や、エッジ(建物などの尖った部分)などに接触し傷がついたハーネスも状態を確認し傷みが激しい場合は使用をお止めください。ダメージを受けた部分の強度が著しく低下し破断する可能性があります。